黒熊様より京浮小説1




誕生日の罪


「…なんであいつは言ってくれないのよ。」
今日は、7月11日。この日は、僕にとって特別な日だ。
自分がこの世に誕生した日。
一年の中で最も大切であり、最も特別な人に祝って欲しい日だ。
こんなに大切な日なのにあいつは来てくれない。
っていうか、朝から会っていない。
寂しいから目一杯叫んだ。
「…だ――――!なんであいつは来てもくれないのさっ!」
「京楽隊長、煩いですよ。」
僕を叱咤したのは、副隊長であり、僕の部下の伊勢七緒だ。
彼女は、いつも僕を怒る。
まぁ、大半は仕事をしない僕が悪いんだけどね。
「だって七緒ちゃぁ〜ん…。今日は僕の誕生日だってのにあいつ、祝いの言葉もかけてくれないんだよ!あんまりじゃない!?」
七緒ちゃんからは、ちゃんとプレゼントを貰っている。
他の人たちにも、祝いの言葉くらいは貰っている。
僕の訴えに、七緒ちゃんは呆れて溜息を吐いた。
それはあんまりじゃねぇかい!?七緒ちゃん!!
「浮竹隊長だってお忙しいんですから、仕方が無いと思いますが。」
確かにあいつは最近病気が良くなったから、貯まっていた仕事を片付けるのに忙しいらしい。
「けど!!恋人の僕の誕生日ぐらい目の前に来て「おめでとうv大好きv」って言ってくれてもいいと思うね!」
言っておくが、七緒ちゃんには僕たちの関係は告白済みだ。
告白した時、彼女は落ち着いた顔で「そうですか」と言っただけだった。    
それ以来、七緒ちゃんは僕の相談相手になっている。
力説した僕にまた大きく溜息を吐く。
「そんなに会いたいなら、ご自分で行ってきたらどうですか?今日は特別に見逃してあげますから。」
七緒ちゃんはくぃっとチャームポイントの眼鏡を上げた。
僕は驚いて彼女を見つめた。
七緒ちゃんからそんな言葉を聞くとは思っていなかった。
仕事に真面目で、不真面目な僕をいつも怒っていたのに。
…嬉しいなぁ。
「大好きだよ、七緒ちゃんvじゃぁ、後は宜しくね★」
「…わかりました。」
七緒ちゃんはさっさと行けというように手を振った。
よぅし。七緒ちゃんの許可も貰ったし、いっちょ行くとするか!瞬歩で。
「待ってろよ、浮竹〜!」




「ふぅ…。なかなか終わらないな。」
病気で臥せっていた自分が悪いのだが、ここまで貯まっていたとは…。
三席の二人にも、大変な思いをさせていただろう。
しかし、朝から一生懸命頑張ったおかげで半分以下になったな。
「よし、あと少しだ。」
…ん?何か忘れているような…。
何か大事な事…。
「なんだったか…?」
「ボクの誕生日だよ、浮竹。」
「ぅわ!き、京楽!?」
いきなりくるから吃驚した。
…て今なんて言った?誕生日…あぁ!しまった!
今日はこいつの誕生日だった!!
「す、すまない!すっかり忘れていた…。」
「なに――!!この野郎!」
あちゃー。怒ったこいつは手につけられないんだよなぁ。
これはちょっと厄介だ。
しかし、忘れていた俺が悪いんだよな。
「すまない!本当にすまない!何でもやるから…」    
あ、京楽の耳がピクってした。    
なんか余計な事を言った気がするぞ…。    
「キミ、何でもって言ったよね。」    
「あ、あぁ。」    
一歩下がる。    
「それに嘘は?」    
「な、無いぞ!男に二言はない!」    
また一歩下がる。    
「本当だね。」    
「本当だよ!」    
またまた一歩下がる。    
でも、もう逃げ場がない。    
後ろは…壁だ。
俺の背中は冷や汗だらけだ。
「じゃぁ…今年のプレゼントはキミだ―――!!」
「ぎゃ―――――!!」    
姫抱っこするな!
瞬歩で走るな!
まだ仕事は終わってないんだぞ!
「やめろ、京楽!まだ仕事が!」    
「大丈夫だよ、三席の二人に話したらやるって言ってたし。でも君は自分の心配をしたほうがいい。」
「え…。」
冷や汗たらり。
どうしよう、京楽がやな笑顔浮べてる。    
「君を僕の誕生日ケーキにして食べてやる!リボンも付けてやる!そしてあんな事こんな事」
「ぎゃ――!今声に出して言わないでくれぇ!」
馬鹿馬鹿!この変態親父!!
瞬歩で走ってるにしても、聞こえる奴だっているかもしないんだぞ!
「…覚悟しろよ。僕の誕生日を忘れてた罪は重いんだからな。」
「…」    
駄目だ。もう逃げられない。
鬼が居る。
「ぅわ――――。」
護廷内には俺の悲しい叫び声だけが響いていた。    

                            <強制終了(笑)>

―おまけ―
<修要>    
   
「今何か凄い声が聞こえたね。修兵。」
「東仙隊長も聞こえましたか?」    
「うん。何か京楽殿と浮竹殿の声だったような…。」
「いいんじゃないっすか?あのお二人、恋人同士のようですし。」    
「やっぱりそうなのかい?」
「はい。」    
「私たちみたいだね。」
「あそこまで騒がしくありませんよ。」    
「ふふ。そうだね。じゃぁ行こうか。」
「はい。」    
   
   
   
   
   
   
* * * * * * * * * *    
   
2006.07.08    
   
きゃあ〜っ!黒熊ちゃんの初京浮小説!    
京楽の誕生日にと頂きました〜v    
   
しかし何て可愛いおっさん達なんだ…!    
京楽の我侭って、確かに言い出したらハンパない気がする(笑)。    
   
オマケの修要もほのぼの可愛くってステキですv    
本当にありがとうございましたvv    
(↑本当は京茶・修要な彼女にムリ言って書いて貰った・笑)